スマート水産業とは?: データ活用で変わる漁業の姿

AI、データサイエンス

今年から水産業(養殖業)に関わることになり、将来的にはスマート水産業的な取組みもしていきたいと考えている。

ということで、スマート水産業について調べたことについて、メモしていく。

なお、今回調べたのは、以下の本。

  • 『図解 よくわかるスマート水産業: デジタル技術が切り拓く水産ビジネス』(2022、日刊工業新聞社)

なお、水産業のスマート化は、農業よりも遅れているそうだ。たとえば農業には WAGRI というデータ基盤があるが、水産業には WAGRI に相当するものはないらしい(2022 年の情報なので、最新のことは分からないが)。

漁業支援アプリ

宮崎県や京都府といった自治体、また、民間企業も、漁業支援アプリを開発・提供している。

宮崎県はスマホ向け漁業支援アプリ、宮崎県漁業技術伝承支援システムを提供している。

また、京都府は、リアルタイム操業日誌アプリを提供している。

日本事務機器が提供しているのは、MARINE MANAGER +reC.

## 漁場予測

漁場(ぎょじょう)」とは、魚や貝などの水産資源を漁獲するための場所。これも、データ解析での予測が研究されている。

水揚げ予測

農業の収穫量予測と似たかたちで、AI定置網水揚げデータ予測の取り組みも進んでいる。

参考にした書籍が 2022 年のものなのだが、2023 年には「おきそこ君」というサービスがリリースされている。

水産分野におけるデータ利活用ガイドライン

なお、こうした水産業のスマート化、特に AI の導入にはデータ学習が必要であるが、「水産分野におけるデータ利活用ガイドライン」(https://www.jfa.maff.go.jp/j/saibai/yousyoku/attach/pdf/yuuryou-3.pdf)が定められている。

水産分野におけるデータ利活用ガイドラインは、水産業におけるデータの適切な取り扱いと活用を促進するために水産庁が策定した指針で、漁業者や関連団体がデータを提供・利用する際の留意点や取り決め事項を示し、ICT技術を活用したスマート水産業の推進を目的としている。

具体的には、データ提供者と利用者の関係整理、データの種類や特性の分類、データ提供に関する契約や同意書の作成ポイント、モデル契約書のひな型などが含まれる。これにより、データの適切な利活用と関係者間の信頼構築を図り、水産業の効率化や生産性向上を目指す。

スマートブイ

では、そもそもデータをどのように収集するのかというと、「スマートブイ」が活用されている。

スマートブイは、海上でのデータ収集や通信を目的とした高機能ブイであり、各種センサーや通信機能を搭載している。これにより、水温、塩分濃度、潮流などの海洋データをリアルタイムで取得し、漁業の効率化や海洋環境のモニタリングに活用されている。

例えば、KDDI総合研究所が開発した新型スマートブイ(https://www.kddi-research.jp/newsrelease/2018/061901.html)は、軽量化・省電力化が図られ、ソーラーパネルと二次電池を組み合わせることで、メンテナンス不要で長期間の連続動作が可能となっている。 また、京セラと長崎大学が共同開発したスマートブイ(https://newswitch.jp/p/31149)は、潮流発電を利用して自ら電力を供給し、海上での永続的な稼働を実現している。

これらのスマートブイは、収集したデータをLTEやLPWAなどの通信技術を通じて陸上に送信し、漁獲量の予測や出漁判断、海洋環境の監視などに役立てられている。さらに、スマートブイの導入により、漁業者は効率的な漁業活動が可能となり、燃料費の削減や漁獲量の向上が期待されている。

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